大学時代に、H2ロケットの打ち上げ失敗のニュースが流れた頃、宇宙開発推進派として周りに知られていた僕に、友達から怒りのメールをもらったこと があります。確かにその失敗によりもともと税金から出たかなりの金額が、目標を達成できなかったという点で全く無駄になってしまったということで、その友 達が怒るのも無理は無いと思いました。そこでここに宇宙開発の意義を自分なりに考えてみました。もしこれを読んで、宇宙開発やった方が良い!、と考えてく れる人が増えたら、うれしいです。これはあくまでも僕個人の考えです。
まず、これは宇宙とは関係無いのですが、人は基本的に「自分の家庭を持って子供を作って・・・」と考えているんじゃないかと思います。そして、も し、今はそう言うことを思ってない人でも「お金を貯めたい」とか「高い地位につきたい」、「人のためになることをしたい」とかいろいろとしたいことがある と思いますが、それらはきっと究極的には自分の子孫の繁栄を願っていることに行きつくのではないでしょうか。きっと生物学的にもこれは正しいことのような 気がします。そう言うことにしましょう!ということで僕達は、自分の子孫の繁栄を望んでいるとします。
今現在、人類はどんどん発展しているといって良く、そして人口が増えています。その増加率も昔に比べれば、どんどん伸びていると歴史の教科書に書い てありました。もう60億人いってるのかな。ところが、今の日本人のような食生活をしようと思うと、今の地球の食物の生産量では2,30億人程度しか養え ないらしいです。エネルギーもこの先何年もつことやら。地球は明らかに有限であります。温暖化などの環境問題など難しい問題もたくさん出てきています。そ れらを考えると人類はいずれ必然的に宇宙に出ていくのではないでしょうか。宇宙進出が地球の有限性からくる諸問題のひとつの有効な解決方法なのではないで しょうか。もちろん環境問題などを投げ出すわけでなく、そういう問題にもしっかりと人類は対応していかなくてはいけないとは思いますが、それと同時に宇宙 開発も進めるべきではないでしょうか。僕達の子孫のために。
宇宙飛行士の土井さんは自らの本の中で「人類がこの先更に繁栄し、発展と続けようとするならば、必然的に宇宙に出ていくことになる。そして、資源の 余裕のあるうちに、精神的余裕のあるうちに人類発展への道を作っておくことが我々現代に生きるものの責務である。」といっています。うーん、いいこという なぁ。
(平成13年4月)