Abstract#
2008年12月9日にGWUの宇宙政策研究所([Space Policy Institute])が主催するTransitionに関するシンポジュームがあったので、行ってきました。Transitionとは、大統領がブッシュさんからオバマさんに代わるにあたり、当選日から大統領就任日までに行われる引継ぎのことのようです。正確な話は[こちら]からTopic#
- 今回のシンポジュームの目的
Transitionチームにおける、宇宙開発関連の政策に関する検討状況確認(と思っていた)。だが、とくにTransitionチームの人が来るわけでもなく(あまり、このチームの人は、いまは、人とコミュニケートしてはいけないらしいが)、あまりそこに関する強いメッセージ、つまりオバマさんが宇宙をどうしていこうとしているのかといった情報は、聞き取れませんでした。ただ、選挙戦の時にかなり詳しいことを言っているようなので、そっちを勉強すべきという話なのかもしれません。 |
- 大統領のリーダシップ
ケネディー、アイゼンハワー、カーター、レーガン、ニクソン、クリントンの名前が次々にでてました。ブッシュもそれなりの評価を受けていたように思います。(いろいろな人)つまり、アメリカでは宇宙開発に大統領のリーダーシップを求めているということだと思います。日本では、これまで首相が宇宙開発に対して、強いリーダーシップを発揮するってあまり聞いたことがないですね。今後は、基本法関係で変わってくるのかもしれませんが。 |
- 宇宙開発の目的:科学
現時点で宇宙開発の目的となるのは、(軍事をのぞくと)科学であるとか。そうなってくると難しいのが、有人宇宙です。科学が人を宇宙に送り出すことの理由になりにくいとのことです。科学目的であれば、人ではなく、ロボット、望遠鏡で十分とか。。。(Logsdonさん)うーん、有人宇宙開発を人類の夢以外で説明しようとするのは、どこも苦労しているんですね。 |
- 有人宇宙開発の進め方
一国でやるべきではない。グローバルに進めるべきだ、とのこと。ただし、協力は必ずしもコスト削減につながるものではないとか。(Logsdonさん) |
- Capability
宇宙開発をできる技術力をキープすることの重要性を強調してました(いろいろな人)。宇宙開発は技術ドライバーであり、たくさんの技術者を生み出す。 |
- セキュリティ・ミリタリー
(残念ながら)有人宇宙開発の一つの理由になりえる。有人宇宙開発を協力して進めることが、軍事・セキュリティの面からプラスに働くようにすることができるはずとのこと(Carlinerさん)。本当かな。 |
- Capitalism
宇宙開発も基本的には、資本主義の原則の中で生きていける。きちんとした技術を育て、それをKnowledge*Based*Economyのもとで、技術を価値に変えていく。GPSや通信分野はちゃんと残っている。Globalな宇宙市場の中で戦略的に技術を育て、きちんとしたものにした企業が資本主義経済の中で勝ち残っていくはずだ(Higginbothamさん)。つまり企業は、政府に頼りすぎてはいけないということか。 |
- 政府しか、戦略的なR&D投資ができない
民間では、どうしても短期的な、投資に走りがちである。長期的かつ戦略的なR&Dへの投資は、政府の役割だ(Cerfさん、グーグルの人、Webの創始者のひとり!?)。 |
- Industry*Science*Academia
この三つの連携が重要 |