Systems Engineering, リスク管理
Abstract#
大学のSEの授業で、複雑さ(Complexity)というものが登場しました。
What's new!?#
- 2009年3月8日に全体構成を見直しました。
- 2009年5月8日にとについて追加いたしました。
Topic#
言葉の定義#
Fig. 1 Complex adaptive systems adapt toward the edge of chaos
Orderがない(Disorder)ランダムな状態。しかし、完全なDisorderとも違くて、よーくみると、Chaosを作り出しているのは、案外単純なルールだったりもする。天気もカオスな感じ。バタフライエフェクトな感じで。動物の体の模様もカオス。フラクタルもカオス。 |
OrderとChaosの境界(, 1285)。秩序の孤島。 |
求める結果を得るために、計画、予測、コントロールできること。例としては、ニュートン力学や正規分布などがあるとのこと(, 1284)。線形。SEで正規分布による解析などの話がよく出るが、その裏では、システムが線形であること、同一であること、ココの要素が独立に動くことを仮定している。現実はそんなことはない。正規分布が使える場面は、現実にはとても限られるのである。 |
Complexityを扱うシステム。現実のシステムはほとんどこれ。非線形システムなど。Power Law(指数法則)もここに含まれる。 |
経済を複雑システムと捉えて、その分析・扱いの手法を検討した論文を発見。ここで解読します。 |
Complex Adaptive System(CAS)の特徴(EMSE284の授業にて出てきた内容です。)#
- 原因と結果が単純な関係で結ばれない
- 平衡な状態からかけ離れている。つまり不安定
- 予測不能
- 指数法則に従う
- 自己繁殖し、複雑さを増していく
- 種々のスケールで意味を持つ(ああスケールフリー)
- 他のシステムとの境界がぼやけることが多い
- 非線形である
- 周りの環境に影響されやすい
スケールフリー理論#
スケールフリーの意味するところは、同じ現象が発生するスケールがたくさんあることです。代表例がネットワークだそうです。フラクタルも(, 1300)。個人的には、マインドマップ的な考え方がしっくりくると思っています。一つの考え方から複数のノードに派生し、またそれぞれのノードが派生していく。ある一つのノードをみると一つの小さな世界があり、それは、いろいろなスケールのノードでそれぞれの小さな世界がある。うーん、スケールフリーな感じがしてきます。スケールフリーなシステムは、複雑システムのうちのひとつなのです。 |
スケールフリーネットワークは、指数法則の特徴にフィットします(, 1300)。あるノードから派生するノードの数を数えると、1つ離れるに従い指数的に爆発的に増えていきます。これは、あるノードとあるノードが少ないステップで結ばれることを示しています。授業で紹介された例として、俳優の知り合いの知り合いの知り合いくらいで、ハリウッドのほとんどの俳優がつながることになるらしいです。それを具体的にWEBで示しているのが、Kevin Beconという人のというサイトです。面白いので、このページでハリウッドスターを検索してみましょう。 |
これから考えると、知識をモデル化すると、それはとてもフリースケールなものになると想像できる。オントロジーとか、セマンティックWEB、ちょっと思考を変えてマインドマップ、WIKI、WEB#TouchGraphなどが頭に浮かびます。KMは、知識というフリースケールな複雑システムを扱うものなんだと思います。脳みそも!?So What、って感じですけど |
Complexity theoryに対する興味#
おそらく、カオスそのものは扱えないんだと思う。カオスだから。カオスの中から、複雑さを見つけて、それを扱うんじゃないかな。 |
現時点での理解では、世の中にあるシステムは、ほとんど複雑システムである。SEは、これらのシステムをシステマティックに扱うための学問なんだと思う。ただ、スケールフリーなどの理論を具体的にどうSEプロセスに反映させていくかは、先生でさえ答えを持っていなかった。そういう意味で、この問は、とても難しい。 |
複雑システムの代表例であるフリースケールなシステムは、指数法則を使って定量化できる。たとえば、確率的に何ステップでこのノードからこのノードに移動できるかなど。 |
その他思ったこと#
なんか、このOrdered Systems EngineeringからComplex Systems Engineeringへの移行というのは、これまで、組織論の授業で習った、Hierarchiな組織からProject形式の組織への移行とか、情報マネージメントの授業で習った、Water Fall形式の開発手法からAgile形式への移行とかとかぶりますね。それは、この世の中がどんどん複雑になり、変化のスピードを上げていることからくるのでしょう。Knowledge Based Economyにどんどん移行しているということですかね。このGWUのSEASのKIMで習っていることの裏側に潜む一貫性を垣間見たような気がします。もっとはっきり見えてこないかなー。 |
Reference#
- Sheard, Sarah, 2009, Complex Adaptive Systems in Systems Engineering and Management, Sage, P. Andrew, Handbook of Systems Engineering and Management, 1283*1318
- Becon, Kevin. 2009, The Oracle of Becon, http://oracleofbacon.org/
- TouchGraph LLC. 2007. Website. http://www.touchgraph.com/home.html
- Wikipedia contributors, "べき乗則," Wikipedia, , http:ja.wikipedia.org_w_index.php?title=%E3%81%B9%E3%81%8D%E4%B9%97%E5%89%87&oldid=24726445 (accessed 3月 9, 2009].