Abstract#
Knowledgeを失ったときのコストを考えることについての重要性を論じた"Diagnosing the Costs of Lost Knowledge on Organizational Performance"という論文について、解読します。Topic#
Intro#
- 知識を失った時のインパクトを定量化する必要がある。その理由は。。([Delong 2005], 2-3)。
- やる気が起きにくい
- 他の投資と比べて成果が見えにくい
- 起こるかわからない問題に対応することに暗黙の抵抗がある
- マネージャーも取り組みに抵抗する。問題があいまいなので力を抜く
- シニアの経営者たちは、数年で会社を去る ちゃんと説得力のある説明をしないといけない。
Method#
- How to start:以下の3つを理解することから始める
- 目的
- 運営上キーとなるプロセス
- 未来に必要とされる能力・適性
- この論文では、以下の4つのタイプの知識喪失をアイデンティファイする(4-5)
- 予測可能だった形式知の喪失
- 予測不可能だった形式知の喪失
- 予測可能だった暗黙知の喪失
- 予測不可能だった暗黙知の喪失
それぞれは違うアプローチを必要とする。具体的な脅威を定義し、予測することが最初の一歩だ。そして効果的な対応をする。脅威を表面化させることで、予測不可能なタイプは、予測可能なタイプにする必要がある。どこから始めるかは、目的・状況による。問題を把握できているか、対応策は練られているかなど。 |
- つまり脅威の表面化をどうするかになる。
- 意見が採用されなかったから、転職する人などすごく重要な知識が失われ、ビジネスにインパクトがでる。どのように失われたかを明確にするのが重要
- 知識継承の実効性の評価も必要
- ベテランの知識活用方法の検証も必要
- 最近退職した人の知識活用方法の検証も必要(Re-employmentはいろいろなところでやってるけど、難しいですよね。。)
- どこで驚異は発生しているかを調べる:TVAの例(7)
- まずはどのポジションか。: Knowledge Risk Factorと彼らが呼んでいたものが分かり、それにより対策を立てることができたらしい。(7)(メールによるインタービューで調べたようです。)
- つぎは具体的な個人やグループを特定する。(それって上でやっているんじゃ。。): そうするとすぐに具体的な脅威に直面するので、ただちに対策しなさい。まず、予測不可能なタイプから。ある製薬会社でSocial Network分析をツールを使ってやって、知識喪失の脅威を経営者に知らしめ、びっくりさせたとか。この話の詳細は、Delongさんの2005年の文書をみなさいって。もう一つの方法として原因と結果分析がある。テーブル1に示すって。各組織で必要な項目を追加しながら使うらしい(9)。なんかナレッジ喪失時のリスク分析・管理って感じです。
- 知識喪失の定量評価(12-13)
”喪失によって起こるパフォーマンス低下”、”その喪失が起こる確率、インパクト”の2軸で分析。SEで習ったリスク管理に似ている。(パフォーマンス低下の具体的な図り方が、現時点では想像できないが、できるものなのかな。知識の価値自体を図るよりは簡単なのかな。) |
- 見えないリスクの評価(13)
具体的な数字にするのはやはり難しい。しかしそれがないと、なかなか対策費がつかない。(ここあまり情報量ないね。) |
- 本当のオプションアプローチ(13-14)
(まだ、題の真意を測りかねるが。。。ナレッジの保存への投資について、不確実性に備えて選択肢を考えておくということかな。でもたぶんここが一番この論文で重要な部分なんだろう。) |
「タイミング」:不確実性により、投資のタイミングを遅らせるという選択肢 |
「成長」:マーケットの成長に向け、もう、投資しちゃうという選択肢 |
「ステージんぐ」:プロジェクトの段階によって、投資するという選択肢。 |
「終了」:リタイヤした人と契約を結ぶ。職員として続けるのではなく、それぞれに契約を結ぶ形に切り替えていく。 |
「柔軟」:うーん、一人ではなく二人の人に継承することで柔軟性をといっているが。。。 |
「運用」:アウトソーシングという選択肢。つまり運用というステータスに業務を持っていっちゃうというイメージですね。 |
結論#
知識保存に対する投資を決定することは、始まりにすぎない。とにかく知識の喪失がどのようなインパクトをビジネスに与えるかを明確にすることが一番重要だ。要はリスクマネージメントですね。喪失のリスクをIdentifyして、確率と影響の大きさの2軸で分析し、必要な対策を立てていく。 |
Reference#
- [#1]Delong, W. David, Diagnosing the Costs of Lost Knowledge on Organizational Performance, WORKING KNOWLEDGE RESEARCH REPORT, USA, October 2005